ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

貴族院・歴史研究室

後世の歴史家は語る
「ユルゲンシュミットで唯一メスティオノーラの書を持たない王として君臨したのがトラオクヴァ―ル王です」
「今ではとても考えられませんが、当時ユルゲンシュミットはメスティオノーラの書を持つ者が誰一人としていない状態に陥っていたのです。
熾烈な政変とそれに伴う大規模な粛清があり、メスティオノーラの書を得るための方法が失伝されたためと歴史書には載っています。にわかには信じられません」
「失伝していても地下書庫に何らかの情報は残されているのだから、なぜそんな状況に陥っているのかと不思議に思うでしょう。しかし、地下書庫の存在すら忘れ去られていたというのです」
「貴族が大幅に減り、国力が落ちたところを狙うようにランツェナーヴェからの侵略がありました。旧アーレンスバッハはランツェナーヴェに加担したとして廃領地となりました。首謀者を捕らえ、女神からメスティオノーラの書を賜ったエグランティーヌ女王が新たなツェントとなり国を治めることになったのです」



「なんとも、凄まじい時代があったのですね」
「ええ、生まれてきたのが今で本当に良かったこと」
「エグランティーヌ女王は勇ましい方ですね」


政変・大粛清・メスティオノーラの書を持たない者を王と仰がなければならないこと・他国から侵略を受けたこと

まさにユルゲンシュミットの黒歴史・赤っ恥ですよ