ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

今日はお父様がフェシュピールを弾いてくださいました。

お父様はフェシュピールがとてもお上手で、キュントズィール様に愛されているのだと思います。

わたくしとお母様のために、いえ、わたくしとお母様とお母様のお腹にいる赤ん坊のために弾いてくださったようです。

お母様は『タイキョ―』とおっしゃっていましたが、一体どういう意味でしょう。

後で筆頭側仕えに訊ねると、お腹にいるうちから赤ん坊にいろいろと良い刺激を与えることだそうです。

わたくしがお母様のお腹にいるときにも『タイキョー』が行われていたのだと教えてくれました。

わたくし全く覚えていませんわ。

その夜わたくしはお父様の奏でる音色と歌声、お母様がお腹を撫でる優しい手つきを思い返していました。

暖かい寝台のなか、いつのまにかシュラ―トラウム様に招かれていたのでした。