ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

あなたのエアヴァクレーレン

フランの報告を聞いた私は眉間に皺を寄せた

青色を纏う者として、彼女のしたことは到底容認できない

しかし、結果をみれば彼女がしたことは「正しい」ことであったのだけは理解できた。

灰色が青色の指示を聞き、動くことは当然のことだ。できて当たり前。できなければ罰を。

神殿一の問題児が任された仕事をこなしたとき、彼女は抱きしめ頭を撫で口に出して褒めたという。

青色巫女のすることではない。と思ったが、どうやらそれ以降その灰色は彼女によく仕え、努力するようになったそうだ。

聞けば、灰色がやったことは部屋の掃除だけらしい。たったそんなことで褒められるなんて・・・

自分が褒められるために、様々な努力をしてきた過去が一瞬頭をよぎる

誰よりも賢く、誰よりも優雅に、誰よりも強く、誰よりも、誰よりも

父上。

掃除をしたくらいで褒められたその灰色が、将来どこまで使い物になるかと冷めた感情をもった一方、
誠実に努力を見てもらい、正しく評価され、貴賤に関わらず、愛情を注がれた彼を羨ましいと思っている私が、確かにいた。