ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

入れ替り

目が覚めるとフェルディナンド様だった。


まだ薄暗い早朝。
まず体の違和感があり、瞼を開けると顔にかかる髪の毛が水色だった。後ろにフェルディナンド様でもいるのかと思って振り向けば眠っている自分がいた。パニックである。

幽体離脱!?

起き上がろうと思って腹筋に力を入れると、ガバッと上半身が勢いよく起き上がる。

なにこれぇぇええ!?
体、おかしい、え?なんか目線が高い?
というか手がゴツい。声が低い。寝間着が男物。


何じゃこりゃーー!?




小さな声で目の前の美女、もとい自分にエマージェンシーモーニングコールを送る。

「あの〜、少し起きてもらえませんか?」

起きぬので、体を揺すってみる。

「あのっ!お願いですから起きてくださいっ」

何度か繰り返すと、相手が覚醒し始めた。次の瞬間、光の帯で私は捕縛された。

「誰だ!?」

女性の高い声に似合わない厳しい誰何。
起き抜けに臨戦態勢を取ろうとした美女は、しかし、起き上がることが出来ずにゴロリと横に一回転し、無様な姿を私に晒した。