ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

苦しみ

「フェルディナンド様、苦しいのですか?」

月の瞳が私を覗き込んでくる。
ああ、苦しい。とても苦しい。

「今ルングシュメールの癒しをかけますからね」

違う。
そんなもので消える痛みではないのだ。

「フェルディナンド様にルングシュメールの癒しを」

痛みがさらに酷くなる。
しかし、君は気づかない。

「どうですか?フェルディナンド様」

この苦しみは私にとって、とても大事で、重要で、大切なものだ。
例え、この先報われないとしても、知らなかった頃に戻りたいとは思わない。

「……あまり変わらない。君の祈りが足りなかったのではないか?」