三四郎は私のことを躊躇うことなく「ルナン」だという。
しかし、彼にとって「ルナン」とは珍しい瞳をもつ種族。特殊な能力をもつ種族。その程度。
彼にとって「ルナンであるカイ」も「ルナンでないカイ」も大差ない。
その程度なのだ。
笑えてくる。
「ルナン」—————
私を悩ませ続けたタネもこの男にとってはその程度。
腹立たしい。
しかし、妙に晴れ晴れとする。
そして気づく。
三四郎も「動物」なのではないだろうか。
愕然とする。
三四郎は今を生きる自分に誇りと自信を持っている「動物」だ。
昔の私だ。
他なんてどうでもいい。
自分さえ楽しめればそれでいい。
自分しか見てない。
否、自分しかない。
彼のまわりには「人間」ばかり。
しかし、それも「動物」である三四郎にはどうでも良いことなのだ。
彼は彼なりの愛し方で「人間」を愛している。
その様子は昔の私に驚くほど似ていた。
彼にとって私も「人間」なのだろうか。
三四郎は三四郎なりの「動物」の愛し方で私を愛してくれていたということか。
目眩がする。
足りない。
足りない。
「動物」であることに苦悩する三四郎が見たい。
そして「動物でない」三四郎も欲しい。
私は、欲が深い。
ーーーーーしかし私は、こんな風に三四郎を思う私が大好きなのだ。
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カイと三四郎についてそれぞれ考えようと思ったら、全部カイになった!wwwwww
もう、仕様がないよね(´д`|||)
アイツ、ヤベーもん。
(補足)
「動物」であることに苦悩する三四郎とは、凱の病室を訪ねた三四郎のこと。カデンツァ4。で慣れないことに雄叫びを上げていた三の字。