―――暖かい、光景だった。
下町の家でローゼマインが家族に囲まれて、笑っている。
カミルももうローゼマインに慣れたのか、最初の頃のような戸惑いはない。
ギュンターはいつも感極まって、泣いている気がする。
テーブルにはご馳走が並べられ、皆がマインの帰宅を喜んでいる。
私は一歩引いてその光景を眺めていた。
廊下から見えるその光景は、まるでドアの枠が額縁となった美しい一枚の絵画のようだった。
私は一歩足を進める。
私はこの暖かさを知りたいと思っていた。
尊いと思いながらも、手に入ることはないと諦めていたものを。
そして、君はくれた。
私に暖かさを分けてくれた。
あと一歩で部屋に入る。
それに気づいたローゼマインが笑顔でこちらにやってくるのが見える。
ああ、君はこんなに―――
「フェルディナンドはわたしの家族ではありませんよ」
バタンと、目の前で扉が閉められた。
==============================
胸糞悪い話でごめんなさい。ロゼマはこんなこと言わない!
ただの悪夢ですから早くフェルディナンド様は目覚めてください(;´・ω・)
お薬、ダメ。絶対。