ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

2020-11-30から1日間の記事一覧

君ある故郷と半分こ④

「やぁ、シーナローゼ、もう来ていたんだね」ラウルヴィンデお兄様は簡易鎧を身につけたまま、こちらにいらっしゃいました。 夜の海のような髪を三つ編みにし瀟洒な髪飾りで留めています。その瞳は透き通るような水色でわたくしとお揃いです。「ラウルヴィン…

君ある故郷と半分こ③

「貴族院アレキサンドリア寮へようこそおいでくださいました、シーナローゼ様」どうやらアレキサンドリア寮に着いたようです。 目の前からお母様とお父様、そしてゲラースヴァーネがいなくなったことから自分が転移したのだと分かりますが、 城の転移の間と…

君ある故郷と半分こ②

「シーナローゼ、寮にはすでにファランディーヌとラウルヴィンデがいるので安心しなさい」 「初めての貴族院は緊張するものです。二人の言うことをよく聞いて、たくさん学んできてくださいね」 今年十歳になるシーナローゼは冬の間、貴族院に通う。 長女で最…