ペンを額に

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十二国記 白銀の墟 玄の月 1巻 第三章までの感想

こまごまと上げていくよ!

・「戴」が欲しているのは100年後の安寧よりも目先の安寧
十二国記世界は神の視点で見れば、無駄のない、完璧な世界だと言えます。
今回、阿選が起こした謀反でさえ、神々の条理を覆すものではありません。
100年も経てば綺麗に治まるからです。
(高里が蓬莱で死に、驍宗が死に、新しい麒麟が生まれ、新しい王が阿選を討つだけ。)

むしろ、歪な形で戴に戻ってきた泰麒こそ神の視点で見れば厄介な存在だとは思います。
完璧な世界にシミがついた感じでしょうか。
神が欲しているのは100年後の完璧な戴なのです。
しかし、民はそんな悠長なこと言ってられません。
目前に迫った冬を乗り切りたい。その一心です。
そもそも妖魔が出てきてる戴は傾いてます。
王が国を掌握し、民に安寧を築けていないからです。
このままでは泰麒が病んでしまいます。
せめて、泰麒が白圭宮を掌握し、政を正さないといけないですね。


・影のある泰麒
敵の言葉に操られ自ら無防備な状態を作り出した。(指令が二しかいないのに馬鹿な判断)
鳴蝕を起こし、蓬莱へ逃げた。(そのまま死んでいれば良かった)
麒麟としての能力はもはやない。(戴に戻ったのは自らの過ちの惨状を見つめるためか。責められ死ぬためか。)
驍宗を探す術のない泰麒は、驍宗が出てきても安全な状態の戴にしておかなければならない

・「病む」とは
諸侯が突然「病む」とは不思議な話です。
想像なのですが、慶の偽王に稿王が力を貸したように
阿選の後ろに柳が暗躍していませんか。
阿選の隣に劉麒がいれば、ころっと騙されませんか。



終末予想。
四巻費やしても、泰麒は驍宗と出会えないのではないか。
おそらく泰麒が戴を治める形となり、死なぬ驍宗がいつの日か白圭宮にお戻りになるのを心から待ち続ける。
という終わり方を予想する。
麒麟に執務を丸投げする形となるが、これが大綱に触れなければ失道は免れるのでは。