ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

アンティーク時計2

だれもそれが正確に動いているかなんて気にもしない。

優美なアンティーク時計に求めるのは、そこにある、ということだけ。

中身が入ってようが、入ってまいが。
壊れていようが、壊れてまいが。
誰も気にしない。



三四郎が分解したアンティーク時計。

伽藍堂の間抜けな時計。

でも、誰も困らない。

優美な箱が残っていれば良いのだ。



だれもこれに時計としての役割なんか求めていないのだから。




カイはその手に抱いたアンティーク時計を何の感情もなくただ見つめ続けた。





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暗い(笑)