カイってルナンとして見られたくないのに、体の欲求を満たしたいって、ちょっと無理なんじゃないの?と思う。まぁ、カイは自分でもその矛盾さに気づいているけど。
カデンツァで思ったのは、「なんでプラトニックな関係じゃ、ダメなの?」ってこと。
で「そういえば、二人のセックスって何から始まったっけ?」って考えたら、
三四郎の「お前を口説いてみたくなった。」っていうセリフじゃない?ってなって、
だからカイに「約束を果たしに来た。」と部屋に招き入れる口実を作ってしまって、
そういう関係になってしまった。と。(セリフうろ覚えです;)
もし三四郎があのセリフをいっていなければ、カイにセックスの口実を与えず、プラトニックな信頼のみで結ばれる関係になっていたのではないか。
そうするとクリスタル・クラウンでカイを最後に慰める役は誰がやったのか、とか。
バロック・パールで現れるイシスはたいそう驚いただろう、とか。
タイトロープ・ダンサー1で三四郎はどうやってカイを出し抜き船を出ようとしたのか、とか。
いろいろ妄想が広がるのだが、今はカデンツァの話をします。
今回(二人の間にセックス有)で思ったのは、三四郎はカイが自分でハニートラップしても、アントナンを経由しても以前の関係には戻れないのではないかということです。
三四郎はサンドラとはイチャついても寝ませんから。
でも、二人の間にもともとセックスの関係がなかったら、高確率でカイは自分の体でハニートラップを仕掛けるし、仮にアントナンを使っていたとしても、次からはしないといえば済む話で、三四郎との信頼関係にヒビが入ることはなかったんだろうと思います。
だからこそ、三四郎は「セックスなんて無くていいじゃないか。」とカイに言うわけです。
ここで重要なのは、カイがアーイシャと会話して心中思ったセリフ。「人肌のぬくもりを知っている私に、抱かれたいかとは酷な質問だ。」です。
三四郎とのセックスを知っているカイは三四郎の質問を酷だと捉えるのだろうし、
カイは三四郎とのセックス(自分をルナンとして見ず、かつ体を満たす)を体験してしまったからこそ、今回の、男を惑わすといった役どころを自分の体で行うことが出来なかったのだと思いました。(自分の体を使ったら、もう抱かれなくなるかも、とも微かながら思ったかもしれません。)
つまり、自分をルナンとして見ない男(三四郎)とセックスしたことが、ルナンであることを肯定することが出来ないカイの思いを助長させたのではないか。ココ重要ですw
ルナンであるといいながら、実際ルナンであることを肯定しきれていないのはそのためではないのか。
(確かに男に抱かれ体はルナンになっただろう、でも心はルナンとは違う、ルナンからもっと遠ざかってしまったのではなかろうか。)
そこで、この文章の最初に戻る。
カイってルナンとして見られたくないのに、体の欲求を満たしたいって、ちょっと無理なんじゃないの?と・・・
初めからカイの欲求は矛盾していた。
その拗れた思いをそのまま抱きしめることができた稀有な存在が三四郎だった。
三四郎はカイの欲求が矛盾していることを知らずにカイを抱いていた。
だから、カイが他の人間に体を許さないことが理解できていない。
自分がカイにいった言葉がカイをどれだけ苦しめるか分かっていない。
(んー、でも三四郎は腕バリバリ掻かれててなんとなくカイの矛盾した欲求を分かっていたのかも、でも三四郎は他の男たちがカイに向ける視線を一切理解できていなさそうだから、カイの矛盾した欲求を分かっていても自分でなくても大丈夫だと考えていそう。)
カイが自分がルナンであることを肯定するためには、「ルナンとして見られたくない、体の欲求も満たされなくていい」と思う(ルナンを全否定することで自分がルナンであることを証明する。月人でない月人になる)か、「ルナンとして見られ、体の欲求も満たしたい」と思い(三四郎以外の)男たちに抱かれるか。この2つ。
月に着いたカイは、
プライベートを「ルナンとして見られたくない、体の欲求も満たされなくていい」(三四郎は除く)
ビジネスを「ルナンとして見られ、(必要なら)体の欲求も満たしたい」
でやろうと思った。
しかし、ビジネスの「体の欲求」のところだけ、どうしても出来ない!
三四郎との体の関係(ルナンとしてみられないセックス)はカイが己がルナンであると肯定することをぼやかしてしまうからだ。
もうね、堂々巡り。
時間は過去には戻らないけど、三四郎とセックスしたことが失着点だったんじゃないのかと思うわけですよ。はぁ・・・
でも、もうセックスしちゃった後だし、カイはもう三四郎以外とは無理だし、でも〜三四郎勃たないんですけど〜
三四郎との明るい未来が見えてこないよ〜〜〜〜;;
先生助けて!!!私にハッピーエンドを!>人<