ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

『天官賜福』 全12話 感想(アニメ以外のお話有り。原作微ネタバレ。大きなネタバレはないし、知らない)

1話目から、引き込まれた。

飛昇したは良いものの、誰からも祝われてない、必要とされてない神様・謝憐。
意味不明でしょ?まず、「飛昇」ってなんですかって話よ。

それで有志の魔翻訳を読んだんですね。
そしたら、「試練を与えられ、それを見事成し遂げた非凡な才を持つ者。天に召され(天に呼ばれ)神官となる」みたいなことが書いてあって、ふ~~~~~~~~~ん十二国記でいう王や役人が神籍や仙籍に入る感じかな?って納得した。


とにかく、中国は仙とか飛ぶのが大好きだから、まぁ、そういうことなんだろう、と。

謝憐は飛昇したやいなや888万の借金(借功徳)が出来てしまいます。
ココ、桜蘭のハルヒを思い出しますねww
借金返済ムーブです。

で、下界に降りて事件解決して借金返済に当てろ、と。
謝憐の不幸体質が滲み出るようですw

原作では冒頭で謝憐の不幸体質について語られます。
三つ問答の鬼に質問され、最初の一問目で答えを間違えた、というものですw


与君山で行動していると、花城が現れて謝憐を外に連れ出します。
アニメでは謝憐はすぐに花城の手をとりましたが、原作では結構悩んでから手を乗せます。(いいですね~)

ハ~~~~~~~、ここ最高ですよね。

BLに慣れてるので、もう花城が旦那であることは簡単に想像できますし、なんてったって第一話のタイトル「太子の嫁入り」ですからね。パタリロ!の第一話「美少年キラー」並みの衝撃ですね。衝撃すぎて反応が遅れるやつ。二度見ね。

音楽最高じゃん?殿下(=謝憐)の「誰だ?」から一気に音が増えて、ぶあああああああああ!!!!!とこれは感動シーンなんだ!!!と物語を知らなくても圧で理解させられます。

また花城の靴に付いている銀鎖の音が美しくて…

原作では花城の手は殿下の手を支えることだけに集中してる感じで、ずっと握るような(無礼な)ことはしてないんですよね。多分アニメもそう。その描写だけで、もう苦しい。愛が。愛だよ。愛だね~~って感じで大変満足。

謝憐は面紗を被っているので花城の顔がよく見えません。(考えられてるな~~~~。楽しい。)

花城との一時の逢瀬を経て、物語は与君山の事件に戻ります。
そこで、愛に狂い、報われず、鬼になったあとも妄執に駆られた寂しい女の話が出てきます。

主人公が物語内で初めて対峙する一つの章。
その内容が重要でないはずがないんですね。

この宣姫の物語は花城の物語でもあるわけです。
愛した人物に対する愛情表現は全く異なりますが、同じように人(神)を愛し、少しでも近づきたく、鬼になっても(鬼になったからこそ)その情はさらに深く増していくばかり。


最高ですね。


(日本で、死んだことを鬼籍に入るという表現がありますが、鬼とは正にこのこと)

事件は解決され、話は上天庭の通霊陣(会議)へ。


そこで、花城が神官三十三人と戦って勝ち、その全ての神を神ならざる者に堕としたことが語られます。
まさにやり返し。報復ですね。
皆が花城と謝憐の関係を知らないため(謝憐自身も知らないw)、彼の行為が報復であることに気づかないのも素敵です。


謝憐は三度飛昇したというのに、道観はなく信者もいません。(本人談)
そこで、下界に降りて自分で自分を祀り、信者獲得に精を出すことにします。
原作だとそうなるまでに上天庭で過ごす描写が描かれるのですが、謝憐があまりに時代錯誤な言動をするので皆から煙たがられ、あまりの惨状に霊文が本人に忠告するほどですw(会社にいるパソコンも使いこなせない、昔のやりかたしか知らない、遅れた話をしてくるおじいちゃん社員感……かわいそ可愛い)



下界に降りて、なかなか長閑な場所だと菩斎村を気に入り、空き家を菩斎道観として自身の生活と布教の拠点とします。


そこで満を持して三郎が出てきます。
ここは、もう多くを語りません。
第五話「謎の少年」を見れば済むことです。一体彼のどこが謎なんでしょうねw


空き殻が現れ、「罠かも知れない」と思いながら謝憐は自ら首を突っ込みます。


そこにお供二人がまた登場。
三郎とは初対面。。。のはずですが初っ端から喧嘩しています。

まぁ、この二人は南陽将軍・風信と玄真将軍・慕情なんじゃないですかね;多分;絶対;(;^ω^)

三郎にとってみれば、この二人は生前殿下の傍に侍ることを許されて、共に飛昇したにも関わらず、最後には謝憐を見限って、助けることもせず、今さら守りにやってきた甚だ不愉快な二人。多分、花城として挑戦状を送ったなかで一番ぶっ潰したかったのがこの二人だと思います。


もともとこの二人に勝つつもりでいた花城(三郎)は彼らについて詳しい詳しいw
無自覚を装って、攻撃をバンバン繰り出します。


お話は半月国編に入ります。(前の話は鬼花婿編ですかね)

ここは原作を読めてないので、アニメのみの知識になります。

この話は簡単に言えば、一国が滅亡に至った経緯とそれに深く関わった者たちのお話です。

バンユエは永安国と半月国のハーフで、そのどちらの国民からも受け入れられません。
永安国の少年と永安国側の兵士として戦っていた謝憐に懐いたことで永安国側につき、謝憐が殺されたことで半月国にスパイのような形で潜入します。彼女の願いは戦争を終わらせること。民がこれ以上傷つくことがないように、というものでした。しかし、その気持ちとは反対に戦争は激化。絶対に降伏しない半月国は国が落ちそうになったとき敵国で自爆テロを起こし、一人でも多くの永安国人を道連れにするのだと息を巻きます。その計画を知ったバンユエは自ら半月国の城門を開きます。そして半月国は滅亡し、バンユエは裏切り者として罪人坑に吊るされる。




バンユエは半月国で国師を務める中、半月国民や刻磨将軍に親しみをもつようになります。しかし、彼らに同調すれば多くの被害が出ることは必須。城門を開けても地獄、守っても地獄のなかで彼女は開ける選択をしたのでした。それがどんなに罪深いことかも知った上で。



彼女は200年もの間、罪人坑に吊るされ続け、200年も苦悩し続けました。


半月兵の鬼たちが全て始末されようとも、彼女の苦悩は続きます。


バンユエは謝憐に「自分には何が足りなかったのか、どこで間違えてしまったのか、どうすれば良かったのか」と尋ねますが、謝憐はその答えを持ち合わせてはいません。その答えを本当に知りたいのは謝憐の方だからです。


鬼花婿編の、愛に狂った女の話が花城の話であるならば、
半月国編の、どうにかしようとしてどうにもならなず一国を滅亡に導いたバンユエの苦悩の話は謝憐の話でもあるのです。





天官賜福は面白いです。
日本人からすれば飛昇というシステムがすでに面白い設定で(中国では突飛な設定でないのかも知れませんが)異文化~~~♪という感じがしてワクワクします。
お話は鬼王・花城と神官・謝憐の恋物語でしょうね。
それが、繊細なストーリーと陰謀渦巻く天界、鬼の正体や数多の謎。二人の過去を絡めて展開されていくのが予想されます。


フ~~~~~
大好きなやつじゃん。
私が大好きなやつじゃん。。。


なぜ私は中国語読めないんだろう??
こんなに視覚版の「ほんやくコンニャク」欲しいと思ったことない。


あとこれは、言わなくても良いくらいだけど敢えて言う。
映像が美しすぎた。本当に。えーーーーと、本当に綺麗なんです。何気ないシーンもとても綺麗で、どうしようかと思うくらい。
世は中華BLの時代か~~~~
多謝(´▽`*)