ペンを額に

霜月のブログ。当ブログは記事に大いに作品のネタバレを含みます。合わない方はバックしてください。

夜の静寂

ジェルヴァ―ジオは己の魔力量によってのみ、生きることを許された男だ

そんな人間が魔力圧縮を怠るはずがない

―――姿が見えていないのに何かがいるような気配を感じた

どうやらローゼマインはジェルヴァ―ジオの魔力を感知したらしい

魔力量が近しいということだ。まったく、つくづく規格外な娘だ

ということは・・・

ジェルヴァ―ジオと私の魔力量も

誰がどれだけ勝っているのかは判断が出来ないが、皆近しいところにいるらしい


アダルジーザで最も魔力量が多かった男。最も少なかった男。

・・・まったく、それだけ君の発明した魔力圧縮法は非常識だったということだぞ、ローゼマイン

顔色の悪いツェント・エグランティーヌとその王配(範囲指定型盗聴防止魔術具作動中)

「今なんとおっしゃいましたか?ローゼマイン様・・・」
「・・・既にわたくしとフェルディナンド様の星が結ばれて、しまいました。神々によって」
「・・・」
「其方らは一体何をしているのだ!?」
「アナスタージウス様、仕様がなかったのですよ。そうしなければユルゲンシュミットの歴史が酷く変わってしまう可能性があったのです。アナスタージウス様とエグランティーヌ様の星結びもなかったことになってしまう可能性すらあったのですよ?」
「うぐ・・・いや、しかし」
「アナスタージウス様、確かに唐突に過ぎますけれど何も問題はないのではないでしょうか?既にお二人は婚約者同士、このまま進めば星を結ぶことになるのですから。わたくしがお聞きしたいのは何故そのことをわたくし達に報告したのか、ということなのです」
「ツェントはご聡明でいらっしゃる。あと一年もすれば私達は星を結びます。つまり、報告などしなくても何も問題はない、と秘することも出来るでしょう。」
「しかし、フェルディナンド様は報告すると決められた。王族が動く必要があるということですか?」
「ご助力頂ければ、と」
「・・・」
「・・・ひとまず、お話をお伺いしてもよろしいでしょうか」


「ーーーつまり、ローゼマイン様の配偶者の立場を未だ狙っている者たちがいて、ローゼマイン様の最終学年では実力行使に出る可能性もある、と?しかし、すでにお二人は神々によって星を結ばれた身。離縁する気もなければ、させられる気もない」
「しかし、フェルディナンド。其方のことだから守りは万全にしているのだろうと思うが?あのシュミルの護衛なぞ凶悪な魔法陣が仕込んであるともっぱらの噂だ」
「・・・もちろん守りには全力を尽くしております。けれども人の心にまで干渉できる魔法陣などありません。悪意に憑りつかれた輩が起こす行動にのみ私の守りは作動いたします。もちろん反撃は最大限に設定しております、ローゼマインが耐え得る程度にですが」
「ありがとう存じます、フェルディナンド様」
「・・・別に王族が動かなくとも守りは万全ではないか」
「お二人にご協力頂きたいのは守りではございません。事後処理です」
「・・・」
「愚かな行いを棚に上げ、アウブ・アレキサンドリアから突然攻撃を受けただの、彼女から誘われただの、自分たちは既に最高神からご加護を頂いているなどと、狂言を奏上するものがいないとも限りません。そのような者に我々がすでに星を結んでいるという正論など通じるはずもございません。ツェントには私の魔法陣での反撃が過剰防衛ではないこと、彼女が誰かの袖に隠された事実などないということを周知させて欲しいのです」
「・・・お話は分かりました。まだ貴族院も始まっていないのになんとも頭の痛いお話ではありましたが、心づもりはしておきましょう」
「其方の心配は過保護すぎると笑えたのならどんなに良かったか・・・あまりエグランティーヌの仕事を増やしてくれるな」
「王族方のご配慮痛み入ります」
「もし事件が起きたなら、わたくし被害者だと思うのですけれど・・・」



======================

ハ~、またか~~、のアナスタージウス
協力しといて恩を売っとこう、のエグランティー
少しは役に立ってもらおう、のフェルディナンド
貴族院もあと一回か~、のローゼマイン

あなたのエアヴァクレーレン

フランの報告を聞いた私は眉間に皺を寄せた

青色を纏う者として、彼女のしたことは到底容認できない

しかし、結果をみれば彼女がしたことは「正しい」ことであったのだけは理解できた。

灰色が青色の指示を聞き、動くことは当然のことだ。できて当たり前。できなければ罰を。

神殿一の問題児が任された仕事をこなしたとき、彼女は抱きしめ頭を撫で口に出して褒めたという。

青色巫女のすることではない。と思ったが、どうやらそれ以降その灰色は彼女によく仕え、努力するようになったそうだ。

聞けば、灰色がやったことは部屋の掃除だけらしい。たったそんなことで褒められるなんて・・・

自分が褒められるために、様々な努力をしてきた過去が一瞬頭をよぎる

誰よりも賢く、誰よりも優雅に、誰よりも強く、誰よりも、誰よりも

父上。

掃除をしたくらいで褒められたその灰色が、将来どこまで使い物になるかと冷めた感情をもった一方、
誠実に努力を見てもらい、正しく評価され、貴賤に関わらず、愛情を注がれた彼を羨ましいと思っている私が、確かにいた。

間違い

生きていることが間違いで、
生まれたことすら間違いであるような、
そんな人生

皆から死を望まれて、
それでも意地汚く生きている

初めから穢れている魔石を、
必死に手のひらで包み込み、
誰にもその濁りを見せたくはない

私にあるのは、
父上とジルヴェスターとエーレンフェストだけ

それしかない
それしか必要としない
それだけで十分だ

美しいこの景色

ローゼマインがいると世界が色づく

これは比喩ではない

アーレンスバッハにいた時分、空は鈍く、海は濁り、森は枯れていた

未来に希望はないと暗示させる白黒の世界それが、アーレンスバッハだった


暖かい風に誘われてバルコニーへと出る

彼女の庭となったアレキサンドリア

彼女の魔力で満たされた土地

海は澄みきり、森は碧々と茂る、空はどこまでも高く、微かに見える国境門は複雑な輝きを放つ

全てに新しい命が芽吹き、この地の風は甘さすら含んでいるように感じる




ああ、なんてーーー

姉妹都市ならぬ兄弟領地(あ、どっちかというと親子領地?)

そういえば、領の名、紋章、マントの色を決める際にフェル様が「エーレンフェストと繋がりがあると分かることが望ましい」とか言ってたけど結局一つもエーレンフェスト色ないよねww

エグランティーヌ

別に私エグランティーヌ嫌いじゃないんですよね・・・

ロゼマとは信念が違うってだけで
ロゼマは(特別な)小のためなら大を切り捨て、
エグランティーヌは大のためなら小を切り捨てる人ってなだけ。

しかもツェントになる人間としては後者が望ましい


信念が違くても「争いを好まない」という部分だけは同じ考えなのだから
まぁ・・・仲良くは出来る、と思うよ・・・

エーレンフェスト&アレキサンドリアがエグランティーヌにとっての大になれば良いだけだ。
小だとエグによってどんどん排除されていくからね。。


ま、エグは名捧げ済みだしロゼマさんが取り乱すような王命は出来ないのが現実
エグランティーヌは秩序の女神ゲボルトヌーンだと個人的には思ってる。


(追加)
だってエグランティーヌは最終的にはユルゲンシュミット(大)のために自分(小)を切り捨てた人ですよ
ツェントにならないと娘にも会えなくなるのも事実ですが、ツェント=幸せとは言えないからね~
まぁ、その行動を初めからやってくれ、と思ったけどw

本好きの下剋上 第二部 PV上がりました~!!


TVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』第二部番宣CM


マインの「にぶっ♪」が可愛い~~~~~!!
ぷひっと鳴かせた~~~~い!!

神に祈りを!Y
神に感謝を!orz